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テレワークで大事な生活時間の充実を

冬夏青々 第15回

2020年01月23日

最先端技術

常任参与
稲葉 延雄

 わが国で進行中の「働き方改革」の中で注目されるのは、最近の在宅勤務(いわゆるテレワーク)の普及である。何といっても、家庭での生活時間と職場での働く時間のより良い配分を可能にし、前者の充実を実感できるようになるからだ。

 家族に急病人が出た際の付き添い、育児・介護に要するさまざまなケア、学校・役所の諸手続き、どうしても外せない自己研鑽(けんさん)...。こうした大事な時間を確保する上で、自宅に居ながら仕事ができる在宅勤務は力を発揮する。また、とかく育児・介護は女性に負担がかかりがちだが、男性が在宅勤務を利用すればその負担を軽減できる。

 元々、オフィス事務はパソコンとインターネットがあれば可能な仕事が大宗であり、在宅勤務を可能にする素地は整っていた。だが、オフィス本体から離れた場での勤務管理をどうするか。それが以前から大変な難題であった。

 これを解決したのが、最近のSNS、特にグループチャット技術の急速な発展である。チャットアプリを使えば、在宅勤務者はリアルタイムで上司や同僚と相談したり、指示を仰いだりできる。一方、上司はチャットを通じて勤務実態を把握し、本人申告の勤務実績と突き合わせる。そうなると、実態的にはオフィスでの勤務管理とほとんど変わらない。

 また、オフィス本体から離れた場と、本体との間の情報交換では、情報やデータの秘匿確保が大変重要になる。これも、VPN(仮想的な専用回線)技術が簡便に利用できるようになり解決した。明らかに最近のデジタル技術はわれわれの生活時間の充実や豊かさの増進に貢献している。

 このようにオフィス事務は自宅やサテライトにまで物理的な領域を広げつつある。デジタル技術によってその高度化を担うのが、当リコーグループのオフィスサービス部門だ。単にお客様の仕事の効率を上げるだけでなく、生活時間の充実を一層実感していただけるよう努めなくてはならない。年が改まり、これこそがわれわれの最重要責務の一つである。

図表

稲葉 延雄

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※この記事は、2020年1月1日発行のHeadLineに掲載されました。

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